これだけは外せない!
“東の軍艦島”第二海堡の必見スポット!
第二海堡は長いこと関係者以外の立ち入りが禁じられていた要塞の島。
明治中期から大正にかけて建造され、戦前は陸軍、のちに海軍が東京湾防衛の要として駐留していました。
戦後は連合軍に接収されましたが、日本に返還された後も軍事遺構という特性から一般旅客の無断立ち入りはできず、
その姿は秘密のベールに包まれていました。
そして2019年、
令和への改元と同時に旅行代理店主催のツアーで一般旅客の上陸がいよいよ解禁となったのです。
第二海堡はここから始まった防波堤
BREAKWATER
第二海堡は岩礁などの砂地の海底にゼロから築かれました。
はじめに防波堤を、そして船を停泊させるための桟橋を造り、そのあと海底に土台となる石を投入していきました。
この防波堤は日本初のものと言われています。完成当時はもっと長く、高さもあったのですが、関東大震災の影響で多くの部分が海中に崩落してしまいました。
巨大台風も耐え抜いた間知石
KENCHI ISHI
ツアーで上陸する北側桟橋の周辺に、ひし型の大きな石が積まれています。
これは間知石(けんちいし)と言う、建造当時の護岸です。日本の築城の技術を生かして造られていて、大きな間知石の間に小さい石を詰め、さらにモルタルで固めているため非常に頑丈なつくりになっています。その堅固な構造で波や巨大台風などにも耐え抜いてきました。この技術はのちにアメリカへも情報提供されたそうです。
灯台の北側あたりからは、どうやって積んであるのかをよく見ることができます。
灯台マニア必見の“聖地”第二海堡灯台
NO.2 SEAFORT LIGHTHOUSE
東京湾の真ん中にあるために船でしか行くことのできない「第二海堡灯台」は、全国の灯台マニアにとっての聖地。初代は第二海堡完成まもない明治期、夜間航行の目印として灯竿(とうかん)というごくシンプルな航路標識が造られました。2代目から灯台となり、3代目に今の場所に移りました。現在の灯台は4代目で、昭和58年に建て替えられたもの。高さ12m、光の到達距離は約24kmあり、東京湾アクアラインや海ほたるからもその光を見ることができます。
第二海堡のシンボル中央砲塔・
防防空指揮所
CENTRAL TURREET GUN・
ANTI-AIRCRAFT COMMAND POST
第二海堡の中央に位置する高台は、27センチカノン砲砲塔砲台の跡です。
この上に砲身の方向を変えることができる砲台が置かれており、地下部分には弾薬庫や作業場がありました。砲塔の上部に建設されたレンガ構造物は防空指揮所(ぼうくうしきしょ)と言い、この上に立って見張りをしたり、軍全体の指揮をとっていたと考えられています。第二海堡らしいシーンが撮れる、撮影スポットのひとつです。
レンガ建築の構造がよくわかる西の広場
WESTSIDE SQUARE
第二海堡の西の端に位置する、通称「西の広場」。
最初はカノン砲を設置する予定だったのが計画変更になり、のちに探照灯(サーチライト)や水中音響訓練所が置かれていたようです。近年の発掘で、地下部分は弾薬庫だったことがわかりました。分厚いレンガ構造の壁に、湿気や塩害を防ぐためのコンクリートやアスファルトが施され、頑丈な造りになっています。
桜マークが押されている刻印レンガ
STAMPED RED BRICK
第二海堡で見られるレンガには、桜や文字などの刻印が押されているものがあります。
明治期のレンガにはこのように特定の印が押されたものがあり、この印はレンガの製造所を表しているそうです。明治期には東京駅や横浜の赤レンガ倉庫などの有名なレンガ建築がたくさん造られましたが、刻印はレンガの一番広い面に押されているので、通常は見ることができません。しかし第二海堡では建物が崩れてしまったために、刻印入りレンガを数多く見ることができるのです。
敵の攻撃から物資をまもる掩蔽壕
ENPEIGO BUNKERS
桟橋から見られるのが、90mあまりにわたってのびるレンガの塀。
軍の物資を置いたり、兵士が暮らすための、いわば防空壕のような役割の構造物で「掩蔽壕(えんぺいごう)」といいます。
アーチ状の入り口が特徴で、現在は安全対策のため入ることはできませんが、中には広い空間が広がっています。
日本の物流を支える!巨大船ウォッチング
MONSTROUS VESSELS WATCHING
東京湾の浦賀水道は”海のハイウェイ“とも言われる物流の要所です。
一日に500隻もの船が行き交う、世界でも有数の海上交通過密海域。第二海堡へ行くには、ここを横切っていかなくてはなりません。第二海堡へのツアーでは、ときには1000台以上もの車を積んだ自動車運搬船や、全長300mを超える巨大コンテナ船のすぐそばを通ることもあります。東京湾を横切っていく第二海堡上陸ツアーだからこそ見ることができる大迫力のシーンです。