3つの海堡のそれぞれの仕様一覧です。
項目 | 第一海堡 | 第二海堡 | 第三海堡 | |
人工島 | ▶着工年月 | 明治 14 年(1881)8 月 | 明治 22 年(1889)7 月 | 明治 25 年(1892)8 月 |
▶竣工年月 | 明治 20 年(1887)6 月 | 明治 32 年(1899)6 月 | 明治 40 年(1907)10 月 | |
上部構造 | ▶着工年月 | 不明 | 明治 33 年(1900)3 月 16 日 | 大正 3 年(1914)9 月以降 |
▶竣工年月 | 明治 23 年(1890)12 月 | 大正 3 年(1914)6 月 | 大正 10 年(1921)3 月 | |
建設期間 | 9年 | 25 年 | 29 年 | |
建設地 | 千葉県富津市 富津岬の先端の海中 |
千葉県富津市 第一海堡の西方 2,577m |
神奈川県横須賀市 第二海堡の南方 611m 走水低砲台の北方 2,589m |
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備砲(建設当初) [ 注1] | 12cm 加農砲(隠顕砲架)2 門 12cm 加農砲(攻城砲架)2 門 19cm 加農砲 1 門 28cm 榴弾砲 14 門 |
27cm 加農砲(砲塔)2 門 27cm 加農砲(隠顕)4 門 15cm 加農砲(砲塔)8 門 |
10cm 加農砲 8 門 15cm 加農砲 4 門 |
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海底の深さ | 最深 4.6m 最浅 1.2m |
最深 12m 最浅 8m |
最深 39m | |
海底の地質 | 貝殻混合の砂 | 貝殻混合の砂 | 砂利交り砂 | |
潮流の速度(毎秒) | 1m/ 秒 | 1.2m/ 秒 | 1.5m/ 秒 | |
満干の差 | 2m | 2.2m | 2.2m | |
基礎上部面積 | 23,000 m² | 41,000 m² | 26,000 m² | |
工事費用 [ 注2] | 378,322 円 (現在の金額)約 17.5 億円 |
791,647 円 (現在の金額)約 36.7 億円 |
2,493,697 円 (現在の金額)約 115.7 億円 |
[注1] 当初の備砲:備砲は、軍事外交的な背景や兵器の進歩、戦略の変化などの影響により大きく変遷しているが、ここでは建設当初に配備された各海堡の備砲を列記した。
[注2] 現在の価格:第一海堡から第三海堡の費用については、第一海堡建設着工年の時期の明治14年(1991)を1.0として作成した平成 30年のデフレーター(×4,638)を乗じた金額を試算した。
着工 ▶
明治14年(1881)、富津岬の先端の海中において、富津海堡(後に第一海堡)の建設が着工。9年の歳月をかけて明治23年(1890)に竣工した。明治22年(1899)に第二海堡の建設が着工。そして、第二海堡着工の3年後の明治25年(1892)に第三海堡の建設に着工します。
面積 ▶
3つの海堡のそれぞれの満潮面での面積は、第一海堡が23,000㎡、第二海堡がその1.8倍の41,000㎡、第三海堡は第一海堡と同程度の26,000㎡でした。
水深 ▶
海堡建設の難易を決めるもっとも大きな要素となっているのが水深です。第一海堡地点の水深は1.2m~4.6m、第二海堡は8m~12m、第三海堡は39mもありました。水深が深いほど施工の難易度は高くなり、さらに潮流が早い地点であることが工事を難しくしました。